映画「鹿の王 ユナと約束の旅」がもののけ姫に似てる?つながりはあるの?という疑問について・・・
上橋菜穂子さんのファンでもあり、ジブリのファンでもある私が個人的な視点から考えていきます。
2022年2月4日公開となった、映画「鹿の王 ユナと約束の旅」。
この「鹿の王 ユナと約束の旅」、公開前から映画宣伝のCMが流れていたわけですが。。。
この宣伝をみて、「鹿の王ともののけ姫って似てない?」「鹿の王ともののけ姫ってそっくりじゃない?」という感想がけっこうTwitterで流れていました。
そして、「鹿の王」も「もののけ姫」も好きな私は、なんだかもったいな~と思ってしまって(汗
(私、上橋菜穂子さんの文庫本は何回も繰り返し読むくらい好きなんです。)
本記事では、「鹿の王ともののけ姫は似てる?」という質問に対して、両方のファンの私が考えて書いていきたいと思います。
なお、この記事は「鹿の王」については、原作のみにのっとって書いております。
映画の「鹿の王」については、また違った流れた表現になっているかもしれません、。
そのあたりはご了承ください。
鹿の王ともののけ姫は似てる?似てるとしたらどの部分?
映画「鹿の王 ユナと約束の旅」の映画宣伝のCMをあらためて見てみました。
こちらですね。
何種類かCMがあって全部見てみたのですが、「このあたりがもののけ姫と似ているのかな?」と思われる点がありました。
たくさんあったのですが・・・今は4点だけ!
順番に書いてきたいと思います。
出てくる鹿がヤックルに似てる?
映画「鹿の王」では、文字通り「鹿」が出てきます。
この「鹿」、鹿の王のなかでは「飛鹿(ぴゅいか)」といいます。
まず、この「飛鹿」がもののけ姫に出てくるヤックルと似ているのかな?という点が。
ただ、ヤックルと飛鹿、ってけっこう角の形もちがうし、よく見るとあんまり似ていないんですよね。
なので、この「ヤックルと似ている」というのは、「アシタカ&ヤックル」「ヴァン&飛鹿」のかかわりから感じられる雰囲気なのかな~と個人的には思っています。
どういうことかというと・・・
この、飛鹿は、主人公ヴァンの故郷(トガの山地)では、なくてはならない動物です。
その乳を飲んだり生活に関わることも担いますが・・・
急な斜面を分けもなく下る飛鹿は、ヴァンの民族にとっては「戦馬」と同じものです。
生まれた時から飛鹿と一緒に育ち、戦ってきたヴァンにとって、飛鹿は戦友であり、絆のある生き物になります。
作中では、とある場所からげ出してから、ある飛鹿を育て自分の相棒として選びますので、付き合いは長くありませんが、それでもその飛鹿と絆を作っていく様子がえがかれいます。
一方、アシタカとヤックルの間にも、もののけ姫の間ではそういうきずながある描かれ方をしていますよね。
そのあたりの雰囲気のようなものがもののけ姫と似ているのでは?と思います。
ヴァンの光る右手
映画「鹿の王 ユナと約束の旅」のCMでは、ヴァンがオレンジに光る右手でイノシシを抑えつけるシーンがあります。
この「特別な力をもった右手」。
このあたりももののけ姫を思い出させるのかな、と。
アシタカも、たたり神に右手をたたられたあと、その右手は人間では考えられない筋力となります。
ヴァンもイノシシを素手で抑え込めるくらいの腕になっていますので・・・
「なんだか右手が人間離れしてしまった!」という設定がかぶるのかな、と。
ちなみに、鹿の王原作では、黒狼病から生き延びたヴァンは、太い鎖を引きちぎるほどの、不思議な力をつけます。
が、それが右手だけか、といわれるとそのような描写はなかったはずです。
なにはともあれ。
主人公の特殊な力をもった右手、このあたりも、鹿の王ともののけ姫が似てい?といわれるゆえんでしょう。
山犬とイノシシ
映画「鹿の王」には、伝染病を運ぶ「黒狼(こくろう)」が物語のキーポイントとなっています。
原作では、「黒狼」と「山犬(作中ではオッサム)」は分けられていますが・・・
映画では、しっかり「山犬がはやらせている」と「やまいぬ」という言葉がしっかり出てきています。
そして、鹿の王映画CMではさらにイノシシも。
「ヤマイヌ」と「イノシシ」って、多分もののけ姫を見た方は、ピンとくるはず。
ヤマイヌはもののけ姫では、もののけ姫のお母さんの「モロ」として。
イノシシは、名護の神の「乙事主(おっことぬし)」として登場します。
この2つの動物の登場が、鹿の王ともののけ姫のつながりを思い出されるのでは、と思います。
ただ、もののけ姫では、ヤマイヌもイノシシも人の言葉をしゃべり、人を超越した神として描かれています。
一方、映画鹿の王では、ヤマイヌもイノシシもただの獣としてです。
さらに、イノシシは物語の中心にはいません。
このあたりは似ていないことになります。
おしよせるデイダラボッチ似のもの
映画の「鹿の王」の公開CMの11秒当たり、泥のようななんだか分からないものが、津波のように押し寄せるシーンがあります。
もののけ姫の最後の方で、デイダラボッチが皮をぬぎ、はじけ飛ぶシーンと似ているなあ、と個人的に思っています。
こっちのCMの方がわかりやすいかもしれません。
1分17秒あたりです。
何か気持ちの悪いかたまりが、爆発し樹々の間を波のように走り抜けていきます。
このシーン、もののけ姫で、たたら場の主人エボシがシシガミ(デイダラボッチ)の首を切り・・・
そのあと、人の命をすいとるドロドロになり、森や地面をおおいつくすクライマックスを思い出させるように思います。
ちなみに鹿の王の原作では、こんなドロドロは出てこないです。
原作はやはり人間(ヴァン)対人間という構図になっています。
鹿の王映画CMでは、原作には出で来ないような表現がたくさんありますので、興味深いところでもあります。
この「鹿の王 ユナと約束の旅」って漫画でもう出ているんですね!
私、知らなかったです^^;
電子書籍でもありますし・・・
コミックシーモアやRenta!でも読むことができます
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鹿の王ともののけ姫はストーリーの点でも似ているの?つながりは?
ストーリーの点でも鹿の王ともののけ姫は似ている?
✅原作観点で、個人的には似ていないと思う
✅つながりもないと思われる
個人的な意見になりますが、私はストーリーの観点からは、鹿の王とものけ姫は似ていないと思っています。
ツイッターで「鹿の王とものののけ姫が似ている」という意見が多いと聞いて、びっくりしたくらいですから。
(でも、「似ている」の意味は私が思っているのとちょっと違ってました^^;)
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鹿の王のストーリーの重要な背景や芯はこんなところ。
(原作からになります。)
✅「黒狼病(ミッツァル)」という伝染病とそれにかかわる国の思惑が背景に
✅巻き込まれ生き延びようとするヴァンの姿が中心
✅その中で出会うユナとの絆、ユナはヴァンの中で救い
✅ミッツァルの医学的な解明にかかわるホッサルの存在は、ヴァンの助けとなるもの
一方で、もののけ姫は
✅人間と自然とのかかわり、共存が大きなテーマ
✅最初は敵ながらも、「自然」がわの代表として描かれる「サン」と人間がわの代表として描かれる「アシタカ」が共に生きようとする姿が中心
✅アシタカとサンは、共に手を取り合って進む仲間
✅エボシやジコボウなど、その他の立場にあり違う考えの者のたちも丁寧に描かれる
あくまで私の個人的な意見になってしまうのですが・・・
鹿の王ともののけ姫では、ストーリーの背景がそもそも大きく違うように感じいます。
鹿の王のストーリーの背景の大きなものって「黒狼病」ですが、そのもっと後ろにあるものって「国と国」なんですよね。
人間のドロドロした思惑です。
それに巻き込まれたヴァンが、ユナを同類、そして救いとしながら、自分の命を守るために立ち向かっていく。
自身の生きる権利をかちとるための戦いを挑んでいくことになります。
一方もののけ姫は、人間と自然、や人間と神といった、人間をもっと超えるものが相手になります。
でも、戦うわけではないです。
(「戦う、支配する」という考えももののけ姫の作中にでてはきますが。)
テーマは共存。
いかに共に生きるか、ということを苦しみ考え抜きながら答えを出していく、という感じです。
(あくまで個人的な意見です!)
テーマになっているものが違うので、私は鹿の王ともののけ姫のストーリーが似ていると言われても、正直ピンときません。
もちろん、こまかい所でにているところはあるのですが・・・
(コピーになっている、鹿の王➡「運命にあらがえ」、もののけ姫「生きろ」とか)
もののけ姫は何回も観ているのですが、鹿の王の文庫本を読んだ時、もののけ姫を思い出すこともしなかったので、それが私の正直な感想なんだと思います。
もしかしたら、映画の鹿の王では、もののけ姫とストーリーが似ているところが出てくるのかもしれませんが・・・
もののけ姫で作画監督をつとめた安藤雅司さんが鹿の王の映画監督なので、雰囲気やストーリーの見せ方なんかがやはり似てくるのかな、とも思いました。
鹿の王の映画と原作の違いは別の記事にまとめています。
興味がある方はこちらをぜひどうぞ^^
★2022年2月8日追記★
「鹿の王 ユナと約束の旅」は色々感想が出てきましたね!
色々拝見していると、タイトル通り「ヴァンとユナ」の旅や関係性がメインで、原作とはやはり違ったストーリーになっている模様。
医学的な要素が減って、「二人がどう生きていくか」に焦点をあてるのであれば、ちょっともののけ姫と似てくるのかな~とも思いました。
そして、、映画鹿の王のホッサル、「かっこいい!」と話題になっています^^
ホッサルの経歴やプロフィールなどをまとめた記事も書いてみました。
興味ああればぜひ^^
まとめ
映画鹿の王ともののけ姫が似てるのか、映画のシーンとストーリーの観点から考えてみました。
映画の画という点では、鹿の王ともののけ姫では似てる部分が何点かありました。
具体的には「ヤックルに似ている鹿」「光る右手」「ヤマイヌとイノシシ」「デイダラボッチ似のどろどろ」なんかが、もののけ姫の映画シーンを思い出させます。
とはいっても、ストーリーのから、鹿の王ともののけ姫が似ているのか、というと、私は似ていないと思います。
原作観点からになりますが、鹿の王ともののけ姫ではストーリーの背景にあるものがまったく違うのが理由です。
もしかしたら、映画の鹿の王では、ストーリーも似ているところがでてくるのかもしれません。
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