風の谷のナウシカの王蟲の正体は?衝撃の事実とその生態を原作から詳しく紹介

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漫画・アニメ

風の谷のナウシカに出てくる巨大生物「王蟲(オーム)」、その正体は映画版ナウシカでは詳しく語られることはありません。

 

いったいどんな生物なのでしょうか。

その正体にどんな意味があるのでしょうか。

 

 

本記事では、王蟲について正体や、映画のナウシカでは語られない、王蟲や腐海の意味について、原作をめちゃくちゃ読んだ私からお伝えします^^

 

ナウシカ、深いんですよ・・・・

(以下、ネタバレです。)

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風の谷のナウシカの王蟲の正体は「役目をもった」人工生物

ナウシカに出てくる王蟲は、「旧世界の人間が作った人工の生き物」です。

「へー、そうなんだ」と納得できればそれでよし!

 

でも、なぜあのような人間にとって脅威的な生き物を、旧世界の人間は作ったのでしょうか?

それには、ナウシカの生きる世界がどういったものか、説明しなければなりません。

ナウシカの世界における「旧世界」とその後

「風の谷のナウシカ」の映画の冒頭に、「火の七日間」という言葉があります。

これは、映画では、ナウシカが生きる世界の約1000年前に起きた、巨神兵を兵器として使った戦争、とされています。

(一応映画では。)

 

火の七日間を境とし、その前が「旧世界」、そのあとがナウシカたちの生きる世界です。

旧世界は人間の手によってもたらされた恐ろしい終末の世。

原作の最終巻、旧世界の描写にはこんなものがあります。

 

数百億の人間が生き残るためにどんなことでもする世界だ。

有毒の大気、凶暴な太陽光、枯渇した大地、次々と生まれる恐ろしい病気、おびただしい死

ありとあらゆる宗教、ありとあらゆる正義、ありとあらゆる利害、調停のために神までつくってしまった

-出典;風の谷のナウシカ7巻, 徳間書店, 宮崎駿-

この旧世界の世紀末は、「人間が作り出したもの」です。

 

火の七日間戦争の前後で、汚染や恐慌がもはやどうにもならない状態になった旧世界。

旧世界の知識層は、なんとかして人間という「種」を守ろうと、そして、壊滅的に汚れた大地を浄化させようと、努力しました。

 

その方法は

・人間や生き物、生態系そのものを「毒」に適応させる体に作り替えること

・植物や生き物を用いて数千年かけて大地や水を浄化する

というものです。

 

ナウシカたちも「毒」に適応し生きられるよう作られた人間の「種」です。

なので、毒だらけの腐海でも肌を出しマスク一つで生きていられる。

 

腐海は、人間が空気や水、土にまき散らした毒を結晶化し、浄化する役目を担っています。

瘴気は浄化の過程で出てしまう副産物。

でも実際には、土や空気や水をきれいにしているのです。

 

そして、役目を終えると滅びてしまう。

その場所の毒をきれいにすると森は老化して崩れ去ります。

映画に、植物がなくなってしまっている腐海の底は毒がない、というシーンがありますね!

 

そして、王蟲。

王蟲や腐海に住む蟲たちは、毒を浄化する腐海を補助する役目を持っています。

蟲たちは、浄化という役目を負う「腐海」が壊されないようにする働きをします。

腐海に侵入した人間に、腐海中の蟲たちが一斉に襲い掛かかる様子からそれが分かりますね。

 

さらに、「王蟲」は蟲の中で唯一「知能」をもつ蟲。

「腐海」という集合体のリーダーや先導役のような役目があることが、映画からも見て取れます。

 

ナウシカの世界では、目的をもって生みだされた生命体の一つが王蟲だったのです。

そして、役目を終えると滅びる、という何とも乱暴な運命を背負っています。。。

その存在の意味はとても切ないものです。

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風の谷のナウシカの王蟲の生態や魅力は『普通の蟲』とは言えない

ナウシカの作中でも大きな役目をもっている王蟲。

蟲ではあるのですが、その能力のいくつかは他の蟲にないものがあります。

普通とはすこし違う次元にいる王蟲、どんな特徴をもっているのでしょうか?

王蟲の基本データ

十数個の体節からなる、非常に硬い殻を持ちます。

体高は80m、体長30mという蟲の中でも最大級の大きさです。

 

目の数は14個。

目の普段の色は深い青ですが、攻撃を受けたり興奮状態になると、真っ赤になります。

 

血の色は青です。

映画でナウシカのピンクの服が王蟲の血によって青く染まるシーンがありますね。

王蟲の殻は非常に硬くナウシカの世界では重宝されてている

王蟲は脱皮を繰り返して成長する蟲です。

腐海には王蟲の脱皮した殻がありますが、そこへわざわざ人間が入って取りに行くほど、王蟲の殻は貴重品です。

 

貴重な理由はその「軽さ」「強さ」そして「柔軟さ」。

 

材料として、普通はどこか優れればどこかが引っ込むものですが、この3つを兼ね備えるなんで材料としては最高ですね!!

ナウシカの世界は、戦闘機の外装品や刀などの材料として使われています。

透明な目の部分は、ガラスの代わりとして飛行機の材料になることもあります。

王蟲には非常に高い知性がありテレパシーで会話ができる

映画にはほとんどシーンとしては出てきませんが、王蟲はテレパシーで人間と会話ができます。

原作ではその会話のやり方は「念話」と言われています。

 

映画では、ナウシカが腐海の池で金色の触手に包まれた時、イメージのような映像がながれただけで、実際に会話する様子は出てきません。

 

しかし、原作では、言葉を使ってしっかりと自分の意志を伝えたり、相手のことを見定めて会話をするなど、かなり高いレベルでの会話が成立しています。

会話の内容も、人間の視点というより自然や世界などといった、「広い世界」からの視点。

 

欲深い人間と比較すると、その存在のあり方はとても高貴です。

 

また、助けを求める粘菌のもとへ馳せていくなど、感情もあるのではないか?という行動もみられます。

王蟲の触手には癒しの能力がある

映画版風の谷のナウシカのクライマックスシーン、ナウシカが黄金の野原で歩く場面はとても有名ですよね!

 

このシーンでは、ナウシカが負った足の傷が王蟲の触手によって治るシーンがあります。

死んだと思ったナウシカが、触手の野原で生き返った・・・のもこのあたりに理由がありそうですね。

 

原作でも、この足の傷を癒すシーンは登場します。

(原作ではナウシカは死なないため、生き返るシーンはありません^^;)

 

癒しの能力があることも、王蟲が普通の蟲ではないことが分かります。

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ナウシカの王蟲や蟲への愛は人間へのそれと同じ

ナウシカには不思議な能力がある、と原作には書いてあります。

ナウシカに幼いころから仕えるミトじいの言葉にこんなものがあります。

 

わしらには聞こえぬ声を聞いたり

風の声を読みとったり

腐海の木々や蟲ですら密かに愛でておられるほどです。

-出典;風の谷のナウシカ2巻, 徳間書店, 宮崎駿ー

その力をもって、幼いころから蟲や腐海と通じてきたナウシカ。

2巻ではナウシカはこうも言っています。

 

王蟲が好き。世界でいちばん偉大で高貴な生き物だと思うの。

でもそれと同じように谷のみんなが好き。

-出典;風の谷のナウシカ2巻, 徳間書店, 宮崎駿ー

蟲も人も同じように感じているからこそ、ナウシカは王蟲も蟲も愛しているのでしょう。

 

ちなみに、この記事を書くにあたって、「原作では、ナウシカの母は蟲使いの血を引いており、そのため蟲と通じることができる。」との情報がありました。

 

持っている原作の隅々まで探してみたのですが、そのような記述はみつかりませんでした。。。。

「森の人」セルムの母と祖父は蟲使いだった、ということは作中にあったのですが^^;

 

もし、「ナウシカの母は蟲使いの血を引いている」ということが載ってるページを見つけて下さった方がいたらご一報下さい。

風の谷のナウシカの世界の奥深くを知りたい人はぜひ原作を

風の谷のナウシカの原作は、非常に深い様々な視点で、人間の世界が描かれています。

 

連載されていた「アニメージュ」で原作が終わったのは、1994年の3月。

原作中では、欲にかられて大気や土を汚す人間の汚さ、正義のかけらもない戦争のさま、人間が生物を作り出すことの愚かしさなどが、物語の大きなバックボーンになっています。

 

このバックボーンは、今の人間社会の問題にも通じるところがたくさんあります。

 

更に言えば、遺伝子組み換えの羊「ドリー」の話が話題になったのが、1997年~1998年ごろ。

そのずっと前から、「人間が生物を作り出すこと」についての恐ろしさについて書いた宮崎駿の洞察力、想像力には頭が下がるばかりです。

 

なお、「風のナウシカ原作」に電子書籍はありません。

レンタルタイプの電子書籍もありません。

 

映画版にはない深い設定がそこにはあります。

気になる方はぜひ読んでみてください^^

 

なお、映画版のナウシカは原作1巻から2巻の途中まで。

原作は7巻ありますので、その話のほとんどが明らかになっていません。

設定のほとんどが物語後半で明らかになりますので、一気に7巻買ってしまうのもおススメです。

 

巨神兵の本当の正体や、映画で悪者役だったクシャナの本当の姿も分かります。

知れば知るほど人間について深く考えさせられる作品です!

 

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