ゲド戦記ハイタカの正体を原作から説明!顔の傷や「まさかな・・」の理由も

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漫画・アニメ

ジブリ映画「ゲド戦記」の登場人物であるハイタカ。

アレンと並んで、ゲド戦記の中では重要な人物ですが、なかなか謎にみちた人物です。

 

囚われの身となったアレンを見つけたり、変わり身の魔法のようなもので探索をすりぬけたり・・・

「魔法使い」であることは間違いないようですが、その正体は本当はなんなのでしょうか?

 

本記事では、ゲド戦記のハイタカの正体を、原作から解説、顔の傷や、映画中のセリフ「まさかな・・・」の理由まで考察していきます。

 

なお、ジブリ映画「ゲド戦記」は、ル=グウィン原作のゲド戦記にかなりアレンジを加えて作られています。

原作のハイタカの正体が映画ではこんな風に描かれいているんだ、と思っていただければ幸いです。

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ゲド戦記ハイタカの正体は?原作から

(↑持っているゲド戦記。外伝を含む6冊の超大作です!)

ハイタカの正体は「大賢人」。

大賢人とは「アースシーで1番の大魔法使い」になります。

アースシーとは、ハイタカたちが生きる世界が「アースシー」です。

なお、ハイタカのまことの名は「ゲド」です。

 

「大魔法使い」と言われる人はアースシーにも何人かいますが、「大賢人」はその中でももっともすぐれた魔法の技、力、知識の深さをもった人になります。

大賢人はなんらかの形(死んだり力を失うなど)で「大賢人」がいなくなると、次の大賢人が選ばれます。

 

ハイタカは今に生きる最高の魔法使いですが、過去の大賢人よりもすごいことを色々と成し遂げています。

原作の言葉を借りるならば、つぎのようなことです。

アースシー一の大魔法使いであり、ファンドールの黒い井戸にふたをし、アチュアンの墓からエレス・アクベの腕環を奪い返し、ネップのあのしっかりとした護岸壁を築いた男、アスタウェルからセリダーまで、ありとあらゆる海を知り尽くしている偉大な航海者、そして、今では世界でただひとりとなった竜王なのだ。

~ル=グゥィン, ゲド戦記Ⅲ巻「さいはての島へ」,p12-13,岩波書店~

要するに、歴代の大賢人でも成しとげられなかったことをやった、超・超・超すごい大賢人だということです。

 

また、ハイタカは「最後の大賢人」でもあります。

アレンと行った「さいはての島」で魔法の力を使い果たしたあとは、大賢人でも魔法使いでもなくなってしまいます。

そして、アースシーでは、ハイタカのあとは大賢人は選ばれていません。

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ゲド戦記ハイタカの顔に傷がついた理由は?

ハイタカの傷は、魔法使いの研修時代に、彼自身が呼び出した「影」によってつけられた傷です。

この「影」が呼び出された理由にについて、ここから少しふれたいと思います。

 

アースシーの世界では、魔法使いになるためには、まず幼いころにその才能を見出され、アースシーの中心部「ロークの学院」(魔法使い養成学校のようなところ)に入ります。

そこで、まことの名や世界の均衡こと、力の使い方、神聖文字など様々なことを体系的に学ぶのです。

 

学院に入ったハイタカは15才、非常に優秀でしたが、それが理由で他の人からねたみも受けていました。

自身も若いことからうぬぼれもあり、また、自分をねたむ人への攻撃的な気持ちを隠すことができませんでした。

 

ハイタカと仲の悪い友達に、ヒスイという若者がいました。

ある時、ヒスイに「死んだ霊を呼びだせ、どうせできないだろう」と言われ、売り言葉に買い言葉、ハイタカはこれを受けてしまいます。

 

死者を呼び出す魔法は禁断の魔法。

ハイタカは魔法を成功させたように見えましたが、呼び出された死者が白い影の中に見えたのはほんの一瞬。

白い影はぐんぐんと光り、その光は天地を割きどんどんと広がっていきます。

 

そして、原作ではこうあります。

そのひろがりの中から目もくらむばかりの強烈な光が射し始めた。

と、その光の裂け目から、今度は気味の悪い、黒い影のかたまりのようなものがぬっと這い出してきて、まっすぐ、ゲドの顔をめがけてとびかかった。

~ル=グゥィン, ゲド戦Ⅰ巻「影との戦い」,p105,岩波書店~

この黒い影は、ハイタカの顔、首、肩にひどい傷を負わせます。

黒い血はいつもまでも止まらず、高い熱も出ており、ハイタカは生死の境をさまよいます。

 

この影をハイタカから追い払うために、当時の大賢人(ネマール)はすべての魔法の力と体力を使い果たします。

そして、死んでしまうのです。

それほどのものを若かったハイタカは世に放ってしまったのでした。

 

ハイタカの顔の傷はこの時にできたものです。

顔の傷は、若かったハイタカの高慢で憎しみにみちた心のあととして残ったもの。

教訓といってもよいでしょう。

 

ハイタカは体の傷を治しロークでさらなる修行をつんだあと、自分のしでかしてしまったことを元に戻すため、旅に出ます。

ハイタカのこの旅のようすが、「ゲド戦記Ⅰ巻 影との戦い」の後半に描かれています。

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なお、映画にでてくる人物の中で、ハイタカの過去に関係がある人物の1人、謎の多い「クモ」。
ハイタカとの過去の因縁は、別記事で詳しくまとめてあります。

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ゲド戦記ハイタカの「まさかな・・・」と言った理由

ジブリ映画「ゲド戦記」でハイタカが、テナーの家でテルーに初めて会った時、「まさかな・・・」とつぶやくシーンがあります。

この理由は、ハイタカがテルーの正体見破った、ということが考えられます。

 

アースシーにおいて魔法使いは、様々なことができます。

モノを治したり、姿を変えたり、風をあやつったりということもそうですが、「その人自身の本当の姿」を優秀な魔法使いほど感じることができるようです。

 

大賢人でもあるハイタカは、テルーの正体をなんとなく見透かしてしまったのでしょう。

でも、「まさかな・・・」と言ったのは、テルーが人間とは絶対に交流を持つことのない種族だから。

そんなことが考えられます。

 

テルーの正体や過去については、別記事で原作より詳しくご紹介していますので、興味がある方はご覧ください^^

 

原作では、ハイタカの魔法の師匠オジオンも、テルーの正体を見透かしていたような節があります。

詳細は、「ゲド戦記Ⅳ巻 帰還」の前半にふれられています。

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 まとめ

ゲド戦記のハイタカの正体は、アースシーの歴史の中でも一番の超超すごい魔法使いです。

 

ハイタカの顔の傷は、ハイタカが魔法の学校にいた十代のころ、自身が呼び出してしまった影につけられたものでした。

ハイタカが若かったころの、傲慢で憎しみがこもっていた自身の心のあととも言えます。

 

ジブリ映画のゲド戦記で、ハイタカがテルーに会った最初の時、「まさかな・・・」と言ったのは、テルーが人間とは絶対に交流を持たない種族の一員である、と見透かしたからです。

ハイタカがそれほどすごい魔法使いだということが、かいまみえる場面でもありますね^^

 

ハイタカの過去については、「ゲド戦記Ⅰ巻 影との戦い」に詳しく書かれていますよ!

 

 

 

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