「竜とそばかすの姫」が、2021年7月16日から全国で公開されています。
約3年ぶりとなる細田守監督の新作ですが、公開から様々があふれていますね^^
「竜とそばかすの姫」の舞台となっているのは、高知県。
高校や川など様々なところが登場しているようですが、細田守監督が高知県を「竜とそばかすの姫」の舞台に選んだその理由は一体なんだったのしょうか?
高知県って坂本龍馬やカツオで有名なことしか知らなくて・・・
(高知の皆さん、ごめんなさい!)
細田守監督にとって、「竜とそばかすの姫」と高知の何がマッチしたんだろう?
監督さんは感覚も大事にしますよね。
ビビッときた理由が知りたいですね。
本記事では、「竜とそばかすの姫」の舞台の高知県について、細田守監督がロケ地、作品の舞台としてしてなぜ高知県を選んだのか?その理由を詳しくお伝えします。
【竜とそばかすの姫】高知県がなぜ?理由その①鏡川(かがみがわ)
複数のインタビューで細田守監督が上げられている理由のひとつが「川」。
どうやら細田守監督の中で「高校生の青春映画」のイメージと「川」は切っても切れない関係があるようです。
「地方都市には川がながれているのがよい」「そんな川のはたを高校生が歩くだけで映画」とあるインタビューではおっしゃっています。
これは、細田監督の「時をかける少女」でも象徴的ですね。
少女2人が川のそばを自転車で走る有名なシーンがあります。
細田監督は2019年に「竜とそばかすの姫」のロケハンを行いました。
その中で石川県能登半島や秋田県の男鹿半島など、映画の舞台探しに様々な場所へ行かれたそうですが、その中で町中に大きな「鏡川」が流れている高知県に、「モデルはここだ!」と思われたそうです。
高知も梅雨明けです!
今日の鏡川
竜とそばかすの姫に出てくる町の真ん中にある川です😊
2021.7.19#高知 #梅雨明け #鏡川 pic.twitter.com/OII9mLfdAW— そらん (@sorarunrun) July 19, 2021
(↑鏡川がまさに「市中」を流れているのがよく分かります)
高知県の鏡川は、周囲に緑などの自然も多く、街の風景もあり、何より「平成の名水百選」に選ばれたほどの美しい川。
夏には岸近くで川遊びをする人や泳ぐ人、そして花火大会も開かれる、街の人々の生活に根づいている親しみのある川でもあります。
美しく、自然にも恵まれ、人々の生活の匂いのする親しみのある鏡川は、細田守監督が映画のモデルとて選んだのもうなずけますね^^
【竜とそばかすの姫】高知県がなぜ?理由その②似淀川(によどがわ)
細田守監督が、青春を舞台とする映画のモデルとして大事にするのが「川」という話を先ほどしました。
高知県が「竜とそばかすの姫」の舞台として選ばれた理由のもう一つが県内にある「似淀川」です。
川としては、鏡川より似淀川の方が大きく、愛媛県から流れ込んでいる1級河川になります。
(↑地図上部の、くねくねとしている川が似淀川です。)
似淀川の水質はなんと全国1位!
「似淀ブルー」という名前でも有名な清流で、とても高い透明度と多くの種類の「青」がみることができます。
おそらくその自然豊かな景観と、緑と青のコントラストが、細田守監督の「ここだ!」ののインスピレーションが生まれるきっかけになったのでしょう。
似淀川にある「沈下橋」は「竜とそばかすの姫」の中の一場面としても出てきています。
この前のキャンプ地は高知の越知町。
浅尾沈下橋のすぐ近くでやりました!
本日公開の映画「竜とそばかすの姫」の舞台にもなった場所です✨
映画ぜひ見ていただきたい!!(地元大好き女) pic.twitter.com/wFt6GBXX42— みい🐹camp🔰⛺️ (@miickan00) July 17, 2021
「竜とそばかすの姫」の映画の中では、鏡川と似淀川の2つの川べりがとても効果的に使われています^^
【竜とそばかすの姫】高知県がなぜ?理由その③日本の未来のモデル
細田守監督が高知県を「竜とそばかすの姫」の舞台として選んだ理由の最後は、「高知県に近い日本の未来をみた」ということがあります。
高知県は、坂本龍馬やカツオ料理、よさこいなど、どちらかというと「明るい」イメージ。
しかし、一方で、人口が全国で3番目に少ない県でもあるのです。
(人口が少ない順は、一番少ないのが鳥取県、次に島根県、高知県と続く。)
ちなみに、人口減少率では4位。
(人口減少率が高い順に、1位が秋田県、次に岩手県、青森県、そして高知県と続く。)
さらに言えば、高知大学教授大野晃が使い始めた「限界集落」という言葉が生まれた県でもあります。
ニュースや授業などでご存じの方も多いと思いますが、この「限界集落」は今日本の地方では、ゆっくりと、しかし確実に進んでいる大きな問題です。
未来には人口が0になりその集落じたいが消えてしまう・・・そんな場所も少なくありません。
これは、そこを故郷としている人には、故郷がなくなることを意味します。
「竜とそばかすの姫」」では、「二面性」というテーマを大きく扱っていますが、人口の意味では、日本も「大都市のポイント集中」と「地方の限界集落」という二面性を持っています。
この人口の二面性の「人口が減る側の」モデルの象徴的な場所として、かつ、「鏡川」「似淀川」という青春映画の理想も相まって、高知県が選ばれたというわけになります。
まとめ
細田守監督の「竜とそばかすの姫」で、高知県がなぜ作品の舞台モデルとして選ばれたか、の理由は、「鏡川」と「似淀川」の2つの川に直感を感じたことが一つあります。
細田守監督は青春を舞台とする作品では、「川」というものをとても重要視されており、鏡川と似淀川は、「竜とそばかすの姫」のロケ地のモデルとしては、最適だったというっことです。
もう一つの大きな理由として、「人口の先細っている日本の未来を見たから」があります。
「竜とそばかすの姫」は「二面性」と映画のテーマとして扱っています。
人口という意味では、日本は「極大化する都市」と「人口の減る地方」という構図があります。
この意味で、全国の人口3位の高知県は、「人口の減る地方」のモデルとして適していたということです。
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