近年春になると、毎年天気予報で話題になる「黄砂」。
でも、いつからこんなに黄砂、黄砂っていうようになったのか、不思議に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
昔こんなに騒いでたっけ、と思いませんか??
そこで本記事では、黄砂っていつから話題になっているの?という疑問をデータと一緒にご紹介。
また黄砂がどこから飛んできているのか、黄砂の大きさはどのくらいなのか、など黄砂の様々な疑問にお答えします^^
黄砂はいつから飛んできた?気象庁の過去データや報道の歴史から。
「いつからあるの?」のデータと、「いつからこんなに言われるようになった?」の2点から、説明していきたいと思います。
黄砂じたいは大昔から飛んできている。
黄砂は実は数万年前から飛んできている、昔からあるもの。
江戸時代の書物にも、黄砂は「霾る(つちふる)」との記録があります。
気象庁のデータが残っているのが1967年からです。
下のグラフは、国内59地点で観測された、年別の黄砂の延べ日数です。
ここでの「観測」は、「気象台の職員さんが、『黄砂だ!』と目視で確認した」ことが基準になります。
また「延べ日数」は、1日に5地点で観測された場合は、「5日」と数えています。
年別黄砂観測の延べ日数(1967~2016年)/国内59地点の統計
出典;環境省冊子 黄砂とその環境影響について 2018年3月のグラフのデータを読み取って作成(気象庁データ)
このグラフから分かるように、多かれ少なかれ、「黄砂が観測された!」という年は、1967年から毎年途切れることなくあります。
2000年ごろから日本での黄砂の問題が大きくなってきた。
グラフでは2002年が一番のべ日数が多い年になっていますよね。
2000~2002年は、グラフからも分かるように、観測日数が急増した年です。
特に2000年4月では、いつもはほとんど黄砂のこない札幌で黄砂が観測され、大きく報道されました。
これを受けてかはどうかは分かりませんが、、2004年1月から、気象庁が「黄砂予報」を発表するようになりました。
「黄砂予報」によって、黄砂が自分の地域に来るか来ないか、知る機会が増えたのも、「最近黄砂黄砂っていうようになったなあ。」と思う理由の一つです。
グラフでは2011~2016年は、黄砂が少し落ち着いているように見えます。
黄砂は年によって騒がれかたも違ってくるんですよね。
(もちろん、「黄砂予報」があるので、毎年黄砂の情報にはふれることになります。)
健康に対しての影響があることも原因の一つ。
2006年前後から、「黄砂にくっついているものが健康に悪いのではないか?」という報道が増えました。
実際、2018年の環境省の冊子では、アレルギーや呼吸器の疾患への悪い影響が示されています。
近年アレルギーの方も増えていることから、黄砂の影響が体に出る方も増えています。
政府やテレビなども、黄砂の情報を健康にからめて出すようになったこと、そして、身近な人も黄砂で具合が悪くなる人が増えていることも、「黄砂黄砂っていうようになったなあ」という原因の一つです。
黄砂って何なの?わかりやすく説明。
黄砂とは、以下のようなものです。
-
- ヨーロッパ、中東、ロシア『などがある』大陸(ユーラシア大陸)の砂漠の鉱物の粒子で、 主に中国を中心とした東アジア地域の砂漠の鉱物の粒子で
- それらが、強風で舞い上げられる。
- そして、それらが韓国や中国、日本などに飛んできて、 中国国内、韓国、日本において、
- 大気中に浮いたり、降り積もったりする。
「現象」のこと。
(※2023/4/13 コメントよりご指摘頂き修正しました。)
その砂漠の鉱物の粒子や砂そのものを「黄砂」ということもあります。
黄砂はどこからくる?
主に3つの場所からです。
日本に近い方から説明します。
黄土高原
中国の黄河の上流および中流域に広がるおよそ40万~64万平方km2の広さの高原です。
黄土高原 Wikipedia

黄土高原は、畑を作るために山の上まで木が切り倒され続けた結果できたものです。
大昔は緑におおわれた土地でしたが、時代と共に開墾が進み、森林破壊が急激に進んだのは明(1368年~1644年)の時代であったと言われています。
植物がないその土地は、地面がむき出しになっています。
特に黄土高原の北部では風が吹くとすぐに大地が削られ、砂が舞い上がるような状態です。
ゴビ砂漠
中国の内モンゴル自治区からモンゴルにかけて広がっています。
タクマラカン砂漠
中国の新疆ウイグル自治区にあります。
黄砂のピークはいつ?
黄砂のピークは、3月~5月、特に4月に多いです。
2021年の黄砂のピークや地域別の予報に関しては、別記事にまとめましたので、興味がある方はご覧くださいね^^
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黄砂の原因は?なぜ春に日本に来るの?
黄砂が起こるのは、「発生源で砂が舞い上げられるから」です。
3月~5月の時期は
- 発生源の雪解けの後、むき出しになっている地面が乾燥している
- わずかながらに植物があるところも、十分に植物が生え切っていない
と、砂が非常に舞い上げられやすい環境にあります。
加えて、春は偏西風が強めの時期であることから、これが上空を流れてきて日本に到着します。
黄砂のサイズは?
数μ(マイクロ)m程度で、4μm付近の大きさが最も多いです。
(粒径分布で、そのあたりにピークをもつ)
「μm」は1mmの1/1000です。
比較的大きな粒子(10μ以上)のものは、舞い上げられた時、比較的早く地面に落ちてしまいます。
なお、2.5μm以下のものは、PM2.5にカウントされます。
黄砂の成分は?
地面からきている鉱物や粘土の成分はもちろんです。
(アルミニウム、カルシウムが、鉄が、ナトリウム、マグネシウムなど)
一方で、地面からきているとは考えにくい物質も含まれています。
(アンモニウムイオン、硫酸イオン、硝酸イオンなど)
これは、黄砂が飛ばされてくる時、空気にある人間が出している大気汚染物質を取り込で、成分が変わってしまったのではないか、と示唆されています。
黄砂はいつから問題になっている?のまとめ
黄砂は大昔からある自然現象。
情報が多くなったように感じるのは、やはり報道の仕方が大きいのではないかと思います。
何にせよ、ガソリンスタンドの洗車コーナーには恩恵のあるものの、ほとんどの人にとっては嫌なものです。。。
黄砂の時期は、予報や予防でうまく乗り切りたいですね^^
コメント
黄砂とはヨーロッパ、中東、ロシアの砂漠から中国~日本などに来ると書いてますが
実際の発生はほぼ中国なのでは?
記事でも後述されてる3大発生砂漠はすべて中国です。
大気汚染に巻き込まれて汚染物質を含んでしまうのも中国圏内です。
黄砂とは主に中国や東アジアの砂漠が発生源で、経路である中国などの大気汚染物質まで運んでいる
と書くことに躊躇されてますか?
意図的にぼかしている印象があるので気になってコメントしてみました。
ぼかしているなら情報として不正確なものを発信するのは・・と思いました。
もいもい様、ご指摘ありがとうございます!
まず、
>黄砂とは主に中国や東アジアの砂漠が発生源で、
>経路である中国などの大気汚染物質まで運んでいる
>と書くことに躊躇されてますか?
ということには、まったく躊躇しなていない、と
ご回答させて頂きます。
(そのご指摘は夢にも思っていませんでした。)
私の文章が拙いために、
もいもい様を勘違いさせてしまい、
大変申し訳ありません。
文中には、
「ヨーロッパ、中東、ロシア『などがある』大陸(ユーラシア大陸)」
と書いてありまして、
「ヨーロッパ、中東、ロシア」という単語は、
「ユーラシア大陸ってここの大陸のことだよ~」
と読者様にイメージしていただくために、つけたものです。
なぜ、ここに「中国」も書かなかったのか、
現在の私は、当時の私に対してとても疑問なのですが・・・
(この記事は、2年前の記事になります。)
ご指摘はもっともですので、
「黄砂って何なの?」の章の
文章は訂正したいと思います。
そして、後に続く「黄砂はどこからくる?」の章にある通り、
黄砂は間違いなく中国からやってきますので、
その部分の文字を大きくするなどで対応していきます。
ブログへのご訪問ありがとうございました。