芸能人格付けチェックでも出てきた、高級チェロ「ジョヴァンニ・グランツィーノ」の音色はどんな音色なんでしょうか?
ジョヴァンニ・グランツィーノが作ったチェロは弦楽器のなかで「オールド・イタリアン」と言われる部類に入ります。
ジョヴァンニ・グランツィーノは1600年代後半から活躍した有名なバイオリン・チェロ職人ですので、そのチェロの価値はとても高いのです。
高いチェロだっていうけど、普通のチェロと音色が違うのかな?
どう違うんだろう?
素人には分からないよ~
ジョヴァンニ・グランツィーノのチェロの音色の特徴って詳しくはどんな感じなんでしょうね。
調べてみましたよ。
本記事では、ジョバンニ・グランツィーノのチェロの音色の特徴にどんなものがあるのか?他のチェロと比べての見分け方はどうなのか?
などを、専門家の動画やクラシックを聴きなれている方の評判から調べてみました。
ジョヴァンニ・グランツィーノのチェロの音色の特徴!他のチェロとの違いはあるの?
ジョヴァンニ・グランチーノの音色の特徴として、「雑味のある、複雑な響き。弾き方によって『甘くも渋くも』なる」と感想を述べられた音楽家の方がいらっしゃいます。
東京藝術大学音学学部教授の大塚直哉先生です。
ご本人が弾かれる楽器は、チェンバロ、パイプオルガン、クラヴィコードと、ピアノより以前からある古い鍵盤楽器になります。
300年以上の年数を経て、より味のある深い音になるということなのかな~と個人的には思いました。
これは、ジョヴァンニ・グランツィーノの話ではなく、やはりオールド・イタリアンで有名な、ストラディバリウスの話になるのですが・・・
あるSNSに「ストラディバリウスと5万円くらいの安いバイオリンでは音は違うのか?」という問いがありました。
この質問の回答をちょっと見てみると、
✅ストラディバリウス
・無骨な少し耳障りのある音がする
・丸い音
✅5万円
・濁りが少なく軽やかな音がする
・5万円レベルだと潰れた音、おさるさんのような「きーきー」という音
ということでした。
あくまで予想ですが・・・
ジョヴァンニ・グランツィーノもストラディバリウスと同じ年代の木材を使ったオールドイタリアンであること。
芸術家の方が「雑味がある音」と評されていること。
これらのことから、オールドイタリアンは新しい軽やかな抜けるような音というよりは、ちょっとノイズの入った味のある音、ともいえるような気がします。
文章では全く分かりにくいと思うので、次に実際のジョヴァンニ・グランツィーノの音を動画で聞いてみましょう!
ジョバンニ・グランツィーノの音色の動画より見分け方を考えた
まずこちら、1695年製のジョヴァンニ・グランツィーノの音色となります。
演奏者は世界的なチェリストであり、ジョンホプキンス大学の教授でもある、Amid Peled氏。
紹介動画のようなものなので、最初の30秒ほどと、最後1分45秒あたりから、このジョヴァンニ・グランツィーノの音色が聞けますので、ぜひ聞いてみてください。
また、こちらの動画は、新しい時代のチェロと古いチェロの、チェロの聞き比べ動画になっています。
聞き比べたチェロは
✅2017年製 フランチェスコ・トト(Francesco Toto)作;2分16秒当たりから曲
✅1926年製 アンニバル・ファニオラ(Hannibal Fagnola)作;4分25秒あたりから曲
✅1694年製 ジョバンニ・グランツィーノ(Giovanni Grancino)作;7分38秒あたりから曲
になります。
この動画では、高音、中音、低音を分けて演奏して下さってますので、ジョヴァンニ・グランチーノ以外のチェロの個性もとても分かりやすく聞くことができます。
演奏者は日本のチェリストであり、CDもだしていらっしゃる新倉瞳さん。
「生音には及ばない」とコメントを出されていましたが、クラシック素人の私にはとても分かりやすく興味深い動画でした。
この動画でジョヴァンニ・グランチーノとそれ以外のチェロを聞き比べての、ジョバンニ・グランチーノ私の感想としては、(クラシック素人です。)
・高音でも音がつきぬけるような感じではなく、ちょっと丸いというかやわらかな感じ
・低音になるとさらに音が太くなるように聞こえる
となりました。
チェロなので、もともと落ち着きのあるとても心地よい甘い音なのですが、ジョヴァンニ・グランチーノの音は他と比べても丸いような・・・そんな印象。
見分け方としては、「音の丸さ」「低音の太さ」があるように思います。
ただこれ、一般にチェロを聞きなれている方は分かるかもしれませんが、私のような素人はどれも素晴らしい音に聞こえます・・・!
そして、ほんのちょっとの違いにしか聞こえません^^;
ちなみに新倉瞳さんは、ジョヴァンニ・グランチーノの音を「密度のある素晴らしい音色」「キラキラしたオペラ歌手のような女王様のような」
という感想を述べられていました。
テレビの芸能人格付けチェックで、その名が一般の方の中に出てきた「ジョヴァンニ・グランチーノ」のチェロですが・・・
値段や持っている人などなかなか知られざることが多い印象。
どんな人がもっているのかな?という疑問にはこちらの記事にまとめてあります。
そしてそして!!!
超高価と言われるジョヴァンニ・グランチーノの弦楽器の実際のお値段はどれくらいなのか?
海外のオークションを調べてみた結果の記事はこちらです^^
ジョヴァンニ・グランツィーノは音が良いのか悪いのか?古く高価な楽器の音は素晴らしい?
演奏者がすばらしく、きちんとメンテナンスをされたジョヴァンニ・グランチーノのような「名器」と言われるチェロであれば、音が悪くなる、というようなことはまずないのでしょうか。
「悪い」というより「嫌い」ということはあるかもしれませんが・・・
先ほど述べたジョバンニ・グランツィーノの「雑味のある音」が「いい音だな~」と感じる方もいれば、「なんだか透き通っていなくて私はスキン出ない」という方もいらっしゃいます。
私もそうなんですが、このような疑問を持つ方は一般的に、「高い楽器の方がいい音なのではないの?」と思ってしまうところがあると思います。
そりゃそうですよね、普通の生活ではお肉だってお魚だって服だって・・・「高いもの=よいもの」というのがありますがら。
ここで一つ、面白い実験をここでご紹介ます。
こちらは、ジョヴァンニ・グランツィーノの実験ではないんですが、同じオールド・イタリアンのストラディバリウスの実験です。
(ストラディバリウスについては様々な本が出されていますが、こちらの本では職人によるストラディヴァリウスに関する様々なエピソードが書かれています。
芸能人格付けチェックの「ストラディバリウス聞き比べ」についてもふれられていますよ^^)
新しい現代のバイオリンとストラディバリウスを用意。
演奏者、国際的なソリストにはどちらのバイオリンかをわかない状態で弾いてもらいました。
聴衆は「バイオリンの音をよく知っている人たち」で、どちらのバイオリンを弾いているのか分からない状態で、音をきいてもらいました。
そして、「どちらの音が良い音か」というアンケートをとったところ、「現代のバイオリンの方が好きな音でよい音だった」という結果になった、という実験です。
(実験概要の論文と記事)
この実験は、決してストラディバリウスを貶めようとしてやったものではありません。
「ストラディバリウス級の楽器は億越えすることもあり、非常に高い。
沢山の演奏者にとって手に届かないものになっている。
みんなが『イタリアン・オールド』を欲しがるのは『音がいい』と言われているから。
その前に、楽器の基本的な性能をテストしてみてはどうだろうか?」
ということから、行われた実験になります。
この実験から思うのは、聞き手にとっては、
✅高いからといって「良い音、好きな音」というわけではない
✅古いからといって「良い音、好きな音:というわけではない
ということです。
だからといって、ストラディバリウスの音が悪いというわけではありません。
「比べた時」の音ですので、「現代の楽器に比べてストラディバリウスの音の方が好みではなかった、悪かった」ということです。
これは、実験はやっていませんが、恐らくジョヴァンニ・グランツィーノの楽器でも同じことが言えるのではないでしょうか。
そして、ある一定の格のある楽器単体で聞いた時は「良い音だった、良い演奏だった」となるのではないかな、と思います。
演奏者にとってはまた全然違うようですが・・・
まとめ
芸能人格付けチェックでも出てきた、非常に高価なチェロ「ジョヴァンニ・グランツィーノ」の音の特徴としては、専門家の方が「雑味のある複雑な響き」とあげられていました。
実際にジョヴァンニ・グランツィーノとその他のチェロを弾き比べた動画を聞いてみましたが、その音の違いは「高音の鋭さ」「低音の音の太さ」に、素人ながらあるように思いました。
聞き比べ動画を作った、日本のチェリスト新倉瞳さんは、「密度のある素晴らしい音色」「キラキラしたオペラ歌手のような女王様のような」というような感想を述べられています。
しかし、実際に聞き比べてみた時、その違いをはっきり述べるのは、私のような素人ではなかなか難しいことでした^^;.
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